「副業を始めてみたいな」と思ったとき、一番最初に頭をよぎるのは「バレたらどうしよう…」という不安じゃないでしょうか。
とくに、マイナンバー制度が普及してからというもの、ネットやSNSでは「副業がバレるようになるぞ」「会社に通知される仕組みになってるらしい」なんて噂も飛び交っていますよね。
もしも会社にバレてしまって、「副業禁止だろ!」と厳重注意を受け、最悪クビになるようなことがあったら…。
そう考えると、なかなか一歩を踏み出せないという人も多いはずです。
本記事では、副業がマイナンバーでバレるのか、会社員が安心して稼ぐための全知識を解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
マイナンバーとは?
マイナンバーは、日本に住んでいる人が一人ずつ持っている12桁の番号です。
2015年から制度がスタートし、総務省のデータによると令和7年4月6日時点のマイナンバーの保有率は78.3%と多くの国民が申請しているのがわかります。
マイナンバーの目的は、税金・社会保険・災害対策といった分野で、個人情報を効率よく管理するために導入されたものです。
たとえばマイナンバーカード保有者は、住民票など役所で手続きしなければいけない書類が、コンビニで取得できるようになりましたよね。 つまり、マイナンバーは「手続きが便利になる道具」なのです。
会社にマイナンバーを提出する理由
会社員であれば、会社にマイナンバーを提出していると思います。
理由は、会社が年末調整や社会保険の手続きを行うために必要だからです。
しかし、これはあくまで「本業」の話です。
では、副業とマイナンバーはどう関係してくるのか解説します。
マイナンバーで副業がバレるの?
「マイナンバーを出すと副業がバレるのでは?」と心配している人は少なくありません。
結論からいうと、マイナンバーがあるからといって、それだけで副業がバレることはありません。
マイナンバーは、税金や社会保障などの手続きを便利にするための仕組みであり、会社がそれを使ってあなたの副業先を調べれません。また行政機関(税務署や市役所など)も、あなたが副業していることを会社にわざわざ知らせません。
ただし、副業の収入によって住民税が増える、社会保険の手続きが必要になる等の理由で、結果的に会社に知られるケースもあります。
「マイナンバーは直接的な原因にはならないけれど、まわりまわって副業が明らかになる可能性はある」と知っておきましょう。
副業がバレてしまう主な原因
副業が会社にバレる理由は、マイナンバーが原因ではありません。
実は、ほかのところで知られてしまう場合が多いのです。
ここでは、具体例を交えて、よくある4つの原因を紹介します。
住民税の金額でバレる
住民税の金額でバレるケースです。
たとえば、あなたが副業で月に5万円を稼いでいたとします。 その分、年間の所得が増えるので、住民税も増えます。
会社では、あなたの給料に合わせて住民税を天引きして支払っています。
ある日、会社の経理の人が「この人の給料にしては、住民税がやけに高いな…」と気づいてしまう場合があるのです。
とくに、同じような仕事をしている同僚と比べて税額が明らかに高いと、疑われやすくなります。
書類の書き間違いでバレる
書類の書き間違いでバレるケースもあります。
たとえば、副業で10万円以上稼いでいたのに年末調整のときに「ほかに収入はありません」とうっかり書いてしまった。
すると、後で確定申告したときに情報が合わなくなり、税務署や市区町村から問い合わせが来る場合があります。
結果、会社に副業している情報が伝わる可能性もあるのです。
社会保険でバレる
社会保険でバレるケースです。
もし副業先でも週20時間以上働いたり、月に8万8千円以上稼いでいたりすると、健康保険や厚生年金に入らないといけない決まりがあります。
そうなると、「この人は副業もしているんですよ」と役所から勤務先に連絡がいく場合があるのです。
また、「二以上事業所勤務届」という書類を出すと、本業の会社にも通知が届くことがあります。
SNSや人づてでバレる
SNSや同じ職場の知人に「副業している」といってバレてしまうケースです。
たとえば、「副業で月10万円稼げた!」とX(旧Twitter)やInstagramに投稿したとします。
投稿を、たまたま会社の同僚が見つけたらどうでしょうか? 「えっ、この人、副業してるんじゃない?」とすぐにバレてしまう可能性があります。
また、仲のいい同僚にうっかり話してしまい、その人がほかの人に話してしまうことも。
人の口には戸が立てられません。副業の話は社内ではしないのがいちばんです。
副業がバレないようにするためのポイント
副業をしていても、ちょっとした工夫で会社に知られずに続けるコツがあります。
ここでは、よく使われる4つの方法を体験談を一緒に紹介します。
税金を「普通徴収(自分で払う方法)」にする
副業収入を確定申告のときに「普通徴収(自分で払う)」を選択しましょう。
副業で得た収入には、住民税がかかります。
ふつうは会社が住民税を天引きしていますが、副業の分も同じように会社を通して払ってしまうと、「この人の住民税が急に増えたな?」と気づかれる原因になるのです。
【体験談】
ネットでハンドメイド作品を売っているAさんは、副業収入を確定申告のときに「普通徴収(自分で払う)」にしました。これで副業分の税金の通知は自宅に届き、会社に知られることはありませんでした。
ただし、副業であっても「普通徴収」できない自治体があるので、お住まいの自治体に問い合わせしてくださいね。
個人でできる副業を選ぶ
アルバイト・パートとして副業するのではなく、個人でできる副業を選びましょう。
アルバイトやパートだと、給与として住民税が計算されるため、会社にバレやすくなります。
それよりも、フリーランスとして在宅ワークやライティングなどを個人として仕事を受ければ、報酬として扱われるため、税金の支払い方法を自分で選べます。
【体験談】
パートタイムで副業していたBさんは、住民税の通知から会社にバレてしまいました。その後、クラウドソーシングで文章を書く仕事に切り替えたところ、普通徴収で税金を支払えるようになり、バレる心配がなくなりました。
副業の話を誰にも話さない
副業の話は、誰にも話さないようにしましょう。
仲のいい同僚に「ちょっと副業してて…」と話してしまうと、それが回り回って上司の耳に入ることもあります。
また、SNSに「副業で月○万円稼げた!」と投稿して、会社の人に見られてしまうケースもあるので注意が必要です。
【体験談】
Cさんは副業でブログを運営していましたが、その内容をTwitterに投稿していたところ、会社の同僚が偶然それを見つけてバレてしまいました。今では副業専用のアカウントを匿名で運用し、個人が特定されないように気をつけています。
副業と本業の道具を分ける
副業に使うパソコン・メールアドレス・銀行口座・SNSなどは、本業と分けて使いましょう。
同じものを使っていると、社内ネットワークにログが残ったり、うっかり誤送信してしまうリスクがあります。
【体験談】
Dさんは会社のパソコンを使って副業のメールを返信していたところ、IT部門に履歴が残ってバレてしまいました。現在は副業専用のノートパソコンを購入し、自宅だけで作業をするようにしています。
このように、少し注意するだけで副業がバレるリスクはグッと減らせます。
事前に準備しておけば、安心して副業に取り組めますよ。
副業でマイナンバーを出す必要があるとき
副業をしていると、状況によってマイナンバーの提出が求められる場合があります。
どのような場合にマイナンバーが必要になるのかを、シンプルにわかりやすく整理します。
アルバイト・パートなど雇用されて働くとき
副業としてアルバイトやパートなど、誰かの会社に雇われて働くときは、マイナンバーを提出する必要があります。
勤務先が税務署に提出する「給与支払報告書」に、従業員のマイナンバーを記載する決まりがあるからです。
フリーランスや業務委託で仕事を受けたとき
ライター・デザイナー・動画編集など、雇われるのではなく、仕事を請け負うスタイルの副業をしている場合、発注元の会社からマイナンバーの提出を求められることがあります。
理由は企業が税務署に「支払調書」という書類を出すためで、そこに報酬を受け取った人のマイナンバーが必要とされるためです。
副業の収入が年間20万円を超えたとき
副業で得た所得が1年で20万円を超えた場合は、確定申告が必要になります。
確定申告の書類にはマイナンバーの記載が義務付けられており、本人確認書類とあわせて提出します。
※副業でもマイナンバーを出さなくてよい場合もある
副業をしていても、すべてのケースでマイナンバーを提出するわけではありません。
- 副業の収入が20万円以下で、確定申告の必要がない場合
- 発注元からマイナンバーの提出を求められていない場合
上記のケースでは、マイナンバーの提出は不要となる場合があります。
マイナンバーを出すのは、「税金を正しく計算するため」に必要な手続きです。
会社に副業が知られるためのものではないので、冷静に対応すれば大丈夫です。
マイナンバーの提出が必要かどうか、自分の働き方と収入をもとに、確認しておくと安心です。
副業とマイナンバーに関するよくある質問
最後に、副業とマイナンバーに関するよくある質問を紹介します。
Q:マイナンバーを提出すると会社にバレますか?
バレません。マイナンバーは会社同士で共有できない仕組みになっています。
Q:アルバイトの副業はバレやすい?
はい。税金の情報が会社に伝わりやすいからです。バレたくない場合は、普通徴収を選びましょう。
Q:マイナンバーで税務署に副業はバレますか?
はい、税務署は副業の収入を把握できます。だからこそ、きちんと確定申告をすることが大切です。
まとめ:マイナンバーがあっても安心して副業しよう!
マイナンバーがあるからといって、副業が会社にバレるとは限りません。
副業がバレないようにするには、税金の払い方、仕事の内容、話し方などに気をつけることがポイントです。
副業はスキルアップや収入アップにもつながる、とても良いチャンスです。
この記事を参考にして、ルールを守って無理のない範囲で始めてみましょう。
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